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秋田県立大学システム科学技術学部の板垣直行准教授らの研究グループが、燃えにくい秋田杉の梁(はり)を開発した。
性能評価試験では、1時間火にかけても燃え止まり、荷重を支える中心部材に損傷がない「1時間耐火」の実証に成功した。有識者らによる審議を受け、5月にも国土交通省に耐火構造材として申請する見通しだ。認定を受ければ、中高層建築や学校などの耐火建築物への利用が可能になる。
板垣准教授や国交省によると、建築基準法では従来、原則として鉄筋コンクリート(RC)などの不燃材しか耐火建築物の構造に認められなかった。2000年の同法改正で、木材でも性能が実証され、国交大臣の認定を受けた場合に使用が可能になった。
改正を受け、〈1〉木材を石こうボードなどの不燃材で覆う「被覆型」〈2〉鋼材を木材で覆う「ハイブリッド型」〈3〉ほぼ全体を木で構成し、外側が燃えても中心部材に燃焼が及ばないようにする「燃え止まり型」の構造材が開発され、認定を受けてきた。ただ、既存の構造材は、外見が木でなくなったり、特殊な加工が必要でコストも割高になったりする課題があった。
そこで、同大は07年から秋田杉の耐火構造材の開発に着手。特殊な加工を必要とせず、地域の生産体制で安価に供給でき、かつ一目で木とわかる構造材の実現を目指し、研究していた。
その成果が、3層の秋田杉材で構成した燃え止まり型の梁。中心部材に板を貼り合わせた集成材を据え、燃え止まり層として、側面にリン酸系の難燃処理薬剤を染み込ませた合板、下面に不燃材の石こうボードを接着した。さらに外側に、燃えしろ層として集成材を貼った。火がついても、この層が燃える間に、薬剤から不燃性ガスが発生し、燃焼を抑制する仕組みだ。
当初は、燃えしろ層を厚くすることで、耐火性能の確保を検討したが、くすぶった火がなかなか消えなかった。板垣准教授は「逆に薄くしたら、ガスの発生が早まり、より早く燃焼を止められた」と説明する。
コストの低減も実現できる見込みで、既存の燃え止まり型では1立方メートル当たり70~100万円程度かかるとされていたが、同50万円程度に抑えられると試算している。それでもRCの約3倍と高額だが、木材は軽く、柱や基礎などの材料を減らすことができるため、建物全体でコストを下げることは可能とみている。
性能評価試験は1月21日~2月6日に茨城県つくば市で実施。高さ30センチ、45センチ、90センチの3種類の梁を1時間火にかけ、24時間後に状態を確認したが、いずれも燃焼は燃え止まり層で止まっていた。
5月にも国交省に1時間耐火の構造材として申請し、認定を受ければ、梁の高さ90センチまでの範囲で、耐火建築物の最上階から4階分まで使用が可能になる。新年度以降は柱の開発も進める方針で、板垣准教授は「木造化が求められる公共建築などに使える。木材の利用拡大につながれば」と話している。

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◇千利休・与謝野晶子テーマ「利晶の杜」
堺出身の茶聖・千利休と歌人・与謝野晶子をテーマにした文化観光施設「さかい利晶(りしょう)の杜(もり)」が20日、堺市堺区の旧市立堺病院跡にオープンする。利休の茶室を体験できるほか、晶子の生家も再現。市は外国人観光客を中心に年間20万人の来館を見込んでおり、市民も「もてなしの心を伝えたい」と盛り上がっている。(山崎茂)
■英語で茶の湯
「Thank you for going before you(お先にいただきます)」。2月下旬、堺区の堺山之口商店街で、「茶の湯」の所作を英語で説明する研修会が開かれ、40~70歳代の市民20人が熱心に発音を繰り返していた。
利晶の杜のオープンに合わせ、外国人観光客に茶の湯文化を理解してもらおうと、堺観光ボランティア協会が企画。昨秋から計7回、英語版の茶道解説本を読むなどして練習を重ねてきた。
参加者は利晶の杜周辺で観光案内をする予定で、同市北区の三木修さん(65)は「奥深い茶の湯を外国人に伝え、日本文化の魅力を理解してほしい」と意気込む。
■世界観を体験
利晶の杜は鉄筋2階建て延べ3500平方メートルで、総事業費36億円。1階は利休が設計した茶室「待庵(たいあん)」を再現し、佗茶(わびちゃ)の世界観が体験できるほか、実際に茶の湯を楽しめる茶室も備える。
2階の「与謝野晶子記念館」は、JR堺市駅前にあった与謝野晶子文芸館を引き継いだもので、晶子自筆の書簡や愛用していた家具など1700点を所蔵。新たに和菓子商を営んでいた実家・駿河屋を再現した展示も設け、晶子が孫を抱いた様子などの8ミリフィルムを上映するコーナーもある。
■相乗効果
今月1日には、利晶の杜や仁徳陵古墳など市内の観光スポットを巡る周遊バス「堺まち旅ループ」の運行が始まった。土日祝日限定で、運賃は一律220円。南海堺東駅を起点に市内23か所の停留所を約1時間かけて回る。
阪堺電軌も1日から、利休と晶子の肖像画を車体にあしらった車両の運行を始め、盛り上げに一役を買う。
近くの堺山之口商店街周辺では20~22日、与謝野晶子ゆかりの物産展やグルメ市が開催される。
市観光企画課は「利晶の杜を中心に堺の文化の魅力を発信し、市内の観光スポットへの相乗効果も期待したい」としている。
開館は午前9時~午後6時。入館料は大学生以上300円、高校生200円、小中学生100円。問い合わせは(072・260・4386)へ。

世界遺産・姫路城大天守前の備前丸で9月にイタリアの名門「ボローニャ歌劇場」がオペラを上演するのを前に、芸術監督や演出家ら5人が19日、現地視察を行った。市によると、姫路城でオペラの上演は初めてといい、視察した一行は「これ以上、ぜいたくな組み合わせの風景はない」と期待した。(田村創)
備前丸は本丸御殿があった場所で、視察に訪れたのは同劇場フィルハーモニー芸術監督の吉田裕史さん(46)や演出家のガブリエル・マルケジーニさん(63)ら。5人は姫路城管理事務所職員の案内で、現地の形状や舞台の位置、音響、資機材の搬入方法を確認した。大天守の石垣近くには遺構があるため、正確な距離を聞くなど真剣な表情で打ち合わせをしていた。
演目はレオンカバッロ作曲の「道化師」。吉田さんによると、道化師の中で使われるアリアがCMで使われなじみ深いうえ、イタリアでは各地域の城や館前でこの演目を演じることが多く、「日本が誇る姫路城で、良質な文化を提供したい」と公演場所に選んだという。
大天守前に作る舞台は、照明灯も城と同じ石垣の模様をペイントし、城と一体化したような雰囲気を演出する。
吉田さんは「日本で最高に美しい姫路城と、最高の芸術・オペラが融合すると思う」と興奮気味に話し、マルケジーニさんは「(備前丸は)とても美しい場所。単にお城の前でオペラを演じるのではなく、日本の伝統とイタリアの伝統をつなげたい」と感想を口にした。
同歌劇場は、2013年10月には世界遺産の清水寺(京都市)で、14年9月にも世界遺産の二条城(同)でオペラ公演を上演している。姫路城での公演は「2015日伊オペラ国際共同制作実行委員会」が主催。公演は9月17日と19日の夕方。

◇南座で6月 舞妓がPR
南座(東山区)で6月に開かれる京都五花街の合同公演「都の賑(にぎわ)い」をPRしようと、出演する舞妓(まいこ)5人が19日、南座と京阪電鉄祇園四条駅で通行人らにチラシを配った。
京都伝統伎芸振興財団などの主催。22回目となる今回は6月27、28日に開かれ、芸舞妓約80人が出演する。能の「老松」を基にした祇園甲部の常磐津「常磐の老松」や、安珍清姫伝説を題材にした上七軒の長唄「座敷舞道成寺」など7演目が上演される。
この日、舞妓たちが「来とくれやす」と声を上げると、周囲には人だかりができていた。
公演は各日午前11時と午後2時30分の2回。チケットは20日から販売され、1万5000円~6000円。問い合わせは同財団(075・561・3901)。